神であろうとも誕生の物語は存在しています。
急に湧いたわけではなく…
それこそ…卵が先か鶏が先かのような話でもなく
設定がしっかりとされています。
受け継がれていく伝承の楽しさですね。
伝承の多くは口伝で伝えられます。
記録として残されたものもありますが時代によって翻訳や解釈が変わるのも常。
いま知ることのできる情報の中で
つじつまをジグソーパズルの如く
はめ込んでいくと真実が見えるのかもしれません。
とりあえずは…
小生が都合よくつないだものになりますが…その部分はご容赦を…言い訳先行で失礼(苦笑)
サラスヴァティの神話的な要素
サラスヴァティの誕生には幾つかの物語が…
神話的にありがちなのでは
「ブラフマ神の口から生まれた」というもの。
この口から生まれたことでサラスヴァティの存在が知識と学問の源であるということになります。
父とされるブラフマは三大神(トリムルティ)の一神で創造を司ります。
ただ信仰という点において、一部の地域では崇拝されていないとか…
三大神の中で最も崇拝されていない異色の神様といわれています。
その神を父に持つサラスヴァティは、ブラフマが宇宙を誕生させたと同時に創造神の一部として生まれ、知識と芸術の女神となったとされています。
他にも幾つかの物語が…ヒンドゥー教で紹介され有名な物語の一つに「サグリ・サーワサ」(Sagara-Saraswati)というものがあります。
王バーグィリカ・サグラは神秘的な力と知識を求め「サラスヴァティを産んでくれ」という祈りを捧げます。
宇宙の創造や維持、破壊などに関連する問題を議論する会議デーヴァ・サバ(Deva Sabha)に現れた女神はその出現を祝う神々によって囲まれ議論の中心を担います。
雷神インドラ(神々の王デーヴァラージャ)の主催で行われる会議は宇宙の秩序を維持するだけではなく神話的な出来事や人間の運命に影響を与える決定も…
デーヴァ・サバの決定は、神託として女神によりサグラ王に伝えられ、その信託に基づいて神聖な儀式を行い、女神サラスヴァティを生んだとされています。
この誕生の物語をサグリ・サーワサと呼ぶそうです。
このガンジス川の畔の国の王の願いが女神の誕生に寄与するのもですが誕生の流れが正直な感想として気になります。
いよいよ卵が先か鶏が先かのような話です。
人と神の距離の近い神話だからこその逸話なのでしょうか。
父がいるなら伴侶は
サラスバティは、ヴィシュヌ神の妻としても言及され知識や美を通じて宇宙の秩序を保つ重要な役割を果たしているとされています。
余談ですが…
トリムルティには、他にヴィシエヌ(維持)、シヴァ(破壊)がいます。
また他の神話によれば、サラスヴァティの父は、他にダクシャやヴィシュヌ神がいます